傾聴の基礎
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傾聴(けいちょう)という言葉がわからない人でも理解できるように傾聴についてまとめました。
1.傾聴の基礎の基礎「傾聴は聞き上手になる方法」
「傾聴(けいちょう)」という言葉。初めて聞く方もいらっしゃると思います。
- じっくり人の話を聞いたことがない
- 「人の話を聞いていない」といわれる
- 子供や部下の気持ちを理解したいと思った
そんなきっかけで「聞く」ことの大切さを感じたときに役に立つのが「傾聴」の考え方やスキルです。
傾聴というと難しいのでしばらくの間は「聞き上手」という言葉を使うことにします。
1)聞き上手が得していること
いわゆる「聞き上手」な人たちが得していることがあります。
a.人とのつながりが強い
例えば、同じ「学校の先生をしている友人」とのつながりでも
- 「学校の先生」という肩書きを知っている
- 「子どもたちへの思い」を聞いたことがある
- 先生になるきっかけの出来事と決意を知っている
- 人には言えない葛藤をきちんと理解している
どのレベルで相手のことを理解しているかで関わりの強さや信頼関係が変わります。
「聞き上手」は誰もが知っている肩書きや出来事ではなく、心の中で揺れている感情や思いを聞くことができるのでその人と深くつながることができます。
b.協力的な人に囲まれている
私たちにとって嬉しいのは「理解されている」「見守られている」「価値観が近い」というような感覚です。「ああ!わかっているよ!」と見守っていてくれる人がいたらどれほど心強いかわかりません。
聞き上手はたくさんの人の話を聞いて、理解しているので多くの人に「かけがえのない人」と思われているのです。
c.説得や交渉が簡単
その人が眠いと知っていれば「コーヒーを勧める」のは難しいことではありません。その人が活躍したいと知っていれば「頑張らせる」ことは簡単なことです。
聞き上手は自然とその人の「欲求」「不安」「こだわり」を聞いていますので、何かをお願いしたり、交渉をするときにも「そっか!じゃ、これがいいんじゃない?」くらいの言葉で人に動いてもらえます。わざわざ、説明を考えて、説得する必要はないのです。
2)聞けていないと損することは?
逆に話が聞けないと損することがたくさんあります。
a.調和が取れない
同じ目標に向かって何かをしようと思っても「大事なポイント」がズレているので調和できません。結果として仲間はずれのような状態になってしまいます。
b.努力が報われない
聞き上手になりたい人の多くは誰かの役に立ちたいと思っています。その一方で話が聞けていないとその人が望まない方向に努力をしてしまいます。
「リンゴが欲しい」
と言われても相手が画家で題材を探しているのか?料理人で食材を探しているのか?白雪姫の魔女で暗殺の道具を探しているのか?によって、努力の方向性が違いますよね。
c.自分のことでいっぱいになる
話が聞けていないと頭の中で自分が考えたことがぐるぐる回ってしまいます。必要のない恐怖心や期待、妄想に近いような考えでいっぱいになると余計に人の話が聞けなくなります。
3)聞き上手を一気に習得するのが傾聴
少しずつ聞き上手になる練習をすることもできますが、一気に「聞くモード」を作ってしまうのが傾聴(けいちょう)と言えます。
傾聴を学ぶときには「いつもと全く違う会話方法」だと思うことが大事です。
どんなにおしゃべりな人でも「演劇を見ているとき」とか「演奏をするとき」「図書館にいるとき」ではモードが切り替わるかもしれません。演劇を見ているときにいちいち「えっと、それはこういうこと??」とツッコミを入れることはしませんね。ただ黙って、話が進んでいくのを味わって、拍手と笑いくらいで自分の気持ちを表現します。
「全く違う会話方法」だということが腑に落ちれば傾聴を学び始める準備はOKです。
「2.傾聴の基礎・役立つスキル」に傾聴を学ぶ際に知っておくべきポイントが書かれていますのでまずは読んでみてください。
2.傾聴の基礎・役立つスキル
傾聴講座では語りきれない傾聴に役立つ細かいスキルや現場の知恵を掲載しています。
1)傾聴の基本とは?
普段の会話はお互いに五分五分の関係であることが多いですが、傾聴では100%「話をする人」を中心にします。なぜなら、五分五分の状態だと遠慮したり、相手に合わせてしまって出せない部分が、、、
2)傾聴の目的とは?
みなさんはなぜ「傾聴」に興味があるのでしょうか?傾聴の先に何を見ていますか?傾聴には目的があります。多くの人はただ理解したいだけで傾聴を学び始めたりはしません。では、その傾聴の目的と、、、
3)傾聴がもたらす効果
傾聴とは「悩んでいる人が自分を苦しめている感情や場面と向き合うつらい体験」であることも少なくありません。「傾聴がもたらす効果」を頭に入れて、大切な人が「ああ、話をしてよかった!」と感、、、
4)傾聴の態度
傾聴をする時の態度は会話の内容よりも重要です。例えば、喫茶店や電車の中で見かける人たちが傾聴をする人だと思って見てみてください。どういう人に傾聴してもらいたいと思うでしょうか?逆に、、、
5)共感的理解
傾聴においては話し手は「共感」を求めています。そもそも人は「共感」してもらえることで自分を保っています。「寒いね」「そうだね」このような日常的な共感から、「ここ10年本当に頑張ってきた、、、
6)誠実さと個人的な話
傾聴をする時に誠実であることは欠かせません。「適当に流したな」とか「理解したふりをしているな」と感じられてしまったら傾聴がそれ以上深まらないからです。そして、実はそういうコミュニケー、、、
7)うなずき
傾聴の基本的なスキルの中に「うなずき」があります。うなずきによって話し手が知らない間に心の扉を開いてしまうことがあります。それを理解するためにはうなずきの種類を知っておくのが早道です、、、
8)あいづち
適切なあいづちの打ち方の基本は「感情:気持ち」に反応することです。話し手をよく観察していて、感情が動いた瞬間に「おお!」「ああ!」なんと発音しても良いので口から音を発します。あえて、、、
9)伝え返し
傾聴のテクニックの1つに「伝え返し」というものがあります。大切な人の気持ちを暖かく受け止めたいというときにこの「伝え返し」が上手にできるととても役に立ちます。話し手の気持ちを尊重して、、、
10)身体的同調
本格的な傾聴を始める前に話し手と聴き手の信頼関係(ラポール)を深めておく必要があります。初対面の他人のような関係性やケンカをしているような関係性では傾聴ができないからです。ラポールの、、、
11)言語的同調
ラポール(信頼関係)が深まってくると身体的同調に加えて、言語的同調が起きます。つまり、話している言葉が似てくるのです。あるキーワードを同調させることでラポールを一気に深める方法などを、、、
12)パターン崩し
話し手に合わせるだけでは実はラポールは深まっていきません。人の脳は電気信号でできていますから、ONにしているだけでは刺激にならないからです。話し手のパターンに合わせ、崩し、合わせ、崩、、、
13)会話のきっかけを生み出すヒント
会話を弾ませたい、コミュニケーションを上達させたい、そんな想いで傾聴を学ばれる方も多いと思います。しかし、「何を話せばよいだろう?」という不安や緊張があると、上手く言葉が出てこない、、、
14)自分の傾聴の長所・短所を知ろう
傾聴をしていて、「上手く行った!」と思える時もあれば、「いまいちだったなぁ」と反省する時もあると思います。傾聴をしている間にその人なりの傾聴の特徴や偏りが出てくると思います。それが自、、、
15)傾聴をマスターするためにおさえたい3つのルール
ルールに則って傾聴していけばある程度傾聴でき、話し手のチカラに変えることができるでしょう。まずは以下の3つを意識して実践することで、傾聴力は飛躍的に上がります。聴く側の発する言葉は、、、
16)理論を理解するほど傾聴がギクシャクするわけ
なぜかうまくいってしまうやり方と理論的なアプローチが近いところにあるとそれを活用しやすくなります。2018年に開催された冬季オリンピックで日本が金メダルを獲得したパシュートという競技は徹、、、
17)聴き手の思考が傾聴を妨げる
聴き手は人間です。小さい頃からたくさんの経験をし、知らず知らずのうちに自分の中にある思考がこびりつくようになります。その無意識に動いてしまう思考、こびりついてしまっている思考が傾聴の、、、
3.傾聴をすると良いこと
傾聴ができるようになると日常生活が変わります。人とのつながり、子供や部下の気持ちの理解、自分自身への理解など人生観が変化する人も少なくありません。
1)傾聴によって癒されるのはなぜか?
私たちはどんな時に癒されたと感じるでしょうか?大自然の中にいる時?マッサージをしてもらった時?コンサートで盛り上がった時?素敵な料理を食べた時?動物を可愛がった時?人によって、癒しも、、、
2)傾聴できると人に好かれる
私たちは「人に理解してほしい」「人に支えてほしい」という欲求を持っています。だからこそ、「話し上手より聞き上手」なのです。最近では自分をどのようにアピールするかに重点を置いている人が、、、
3)傾聴して自信のある子に育てる
自信のある子に育ってほしいと親なら誰しもそう思うでしょう。 自信のある子になってもらうには、親がコントロールするのには限界があります。傾聴をして、自信のある子になってもらえたら、嬉しく、、、
4.無料のメール講座で学ぶを深める
体系的に傾聴を理解したい方には無料のメール講座(オンライン傾聴講座基礎編)をお勧めしています。12日間にわたり、傾聴講座としてのメールと動画(動画がない日もあります)が配信されてきます。それを1日1日消化していくことで学びを深めることができます。
- 傾聴の基礎
- ベースとなる信頼関係
- 受容的態度
- 自己一致
- 共感的理解のコツ
- 子育てに生かす
- 仕事に生かす
- 恋愛に生かす
- 医療福祉に生かす
- ボランティア活動
- 傾聴の学び方のコツ
- 傾聴できない5つのタイプ
特典 「傾聴レベル自己診断シート」つき!
傾聴レベル自己診断シートはプロの心理カウンセラーやオンライン傾聴講座の受講生などが日々自分自身おチェックをするために使用しているものです。
5.悩んでいる人のさまざまな気持ち
悩んでいる人、マイノリティーと呼ばれる人たちは一般論ではないわかりにくい状況に悩んでいます。傾聴は一般論を確認するのではなく、その人の理解されにくい部分を理解するところに役割があります。ここではそのマイノリティーと呼ばれる人たちの気持ちの一部をご紹介していきます。注意していただきたいのは同じマイノリティー同士でも気持ち、考え方が違うので一般論だと解釈しないでお読みください。
1)社会から排除される感覚
メンタル不全を持っていると不動産を借り難くなります。元気な人からしてみたら、「当たり前のこと」と思うかもしれません。傾聴において大事なのは99.9%の人が知らない側面を理解することです。、、、
2)さみしさのひとつ(人間らしい時代は二度と来ない)
傾聴が大事というよりもっと深刻なおかしな社会になってきているという感覚が僕の中に根強くあります。僕はテーマがスマホじゃ無いけれど、今から20年以上前にこれに似たさみしさを感じました。
3)ネット依存の少年が教えてくれたこと
脱走、行方不明、家族への暴言、家出、金銭、昼夜逆転等のいろいろなトラブルは続きました。その原因は、オンラインゲームにかかわることが殆どで、「イベントに参加したい」「アイテムがほしい」、、、
4)とりあえず頑張れない若者
良い大学に行っても大企業で安定して働けるわけではない、でも、とりあえず勉強して良い大学に行くようにと、整合性のない大人の脅しのような押し付け文句に頭を混乱させてきました。それを真面目、、、
5)LGBTの種類と人の心
LGBTには18種類ともそれ以上ともいわれる分類があります。レズビアン(女性の同性愛者)ゲイ(男性の同性愛者)バイロマンティック(2つ以上の性別を精神的に好きになる)バイセクシャル、、、
6.医療福祉教育現場における傾聴
病院での傾聴、高齢者施設での傾聴、学校での傾聴をはじめとする医療福祉、教育現場での傾聴についてまとめてあります。
1)ケアとはいつくしむ気持ち
介助の仕方、看護の仕方、知識は全ていつくしむ気持ちから来ています。しかし人はその問題が整理させるほど。知識化するほど、本来のいつくしむ気持ちから離れてしまうようです、、、
3)傾聴と認知症ケア(介護)
2025年には団塊の世代の方々が後期高齢者(75歳以上)となり、日本の人口のうち5分の1が後期高齢者、3分の1が高齢者(65歳以上)となります。そして、10人に1人は認知症になって、、、
4)学校における心のケアに足りないもの
学校は、子供たちが集まるコミュニティです。1つの社会です。楽しいこと、平穏無事なことばかりではなく、軋轢が生まれたり、災害や事件などでショックを受けたりと、心に大きな傷を負う可能性、、、
5)精神科での傾聴のコツ
ひとりあたりに換算すると5分もない時間でも傾聴をすることはできます。そして、その人を元気にしたり、その人の強さを引き出すことさえできます。傾聴は時間ではないからです。多くの精神科は、、、
6)介護現場で傾聴する時間がない。だけど・・・
介護現場では傾聴は非常に重要です。介護に関わる人の多くがその事を認識していると思いますが、実際に満足のいく傾聴を出来ている人は少ないでしょう。「もっと、時間があれば」「もっと、職員、、、
7)マネジメントと傾聴
「マネジメント」は、成果を挙げさせて機能させるという役割を担っており、そのための手法は様々です。何をするか、どうするかに全て指示を出す指示型、目標設定のみを行いあとは任せる放任型、、、
7.傾聴対談
人と関わる仕事の人たちは職業柄さまざまな方法で話を聞いています。傾聴という観点から見た職業観、傾聴の役割などについて対談しています。
1)臨床心理士から見た公認心理師と傾聴
音がない世界があるからそこに音が成り立つ。傾聴っていうのは、ある意味でクライエントが自己表現していく場を保証する作業だと。傾聴っていうのは聴くだけではなくて、相手の表現を「一義的には、、、
2)裁判官にとっての「聴く」とは?
複眼的思考は、法律家は裁判官であれ検察官・弁護士であれ、先ず第一に当事者や依頼者という特定の他者の利害及び関心を理解しなければならずそのためには、いわばその者の立場に 自らを置き、、、
3)元刑事の僧侶から見た「聴く」とは?
なんでもそうですけど、聞いてやろう、聞いてやろうとすると聞けないんですよ、だいたい。何気ない会話のなかでぽっとでた話を上手に拾うことができるかできないか。傾聴活動ってみなさんの話を、、、
4)検事にとっての「聴く」とは?
知覚をしますよね、それが記憶になるわけです。過去のことだから。で、それを聞き出す。何があったかって聞くときにまさに記憶通りに表現できたか。そして叙述。正確にそれができているかとかね、、、
8.カウンセリングと傾聴
カウンセリングと傾聴はイコールの部分もありますし傾聴をカウンセリングの一部と考える人もいます。ベテランのカウンセラーになってくるとその境目を感じさせないカウンセリングをするようになります。
1)カウンセリングの土台となるロジャーズの人間観
カウンセリングにおいて、カール・ロジャーズの提唱したクライアント中心療法は欠かす事は出来ません。今では独立した心理療法と言うよりは、全てのカウンセリングの土台として、カール・ロジャ、、、
2)たくさんのカウンセリング方法を学ぶ前に
カウンセリング方法をただ消費している人はクライアント中心療法を学び、催眠療法を学び、アドラー心理学を学び、ペップトークを学びます。三年後も違う方法を学んでいることでしょう。大事なのは、、、
3)カウンセリングの評判の功罪
評判や口コミはお店やサービスを選ぶ時にとても役に立ちます。カウンセリングを受ける時にも事前に評判を知っていたら傷ついてしまったり、トラブルに巻き込まれることを防げるかもしれません。こ、、、
4)カウンセリングの段階と目的
カウンセリングの目的は「気持ちを聞いてもらう」「悩みの解消を手伝ってもらう」「未来に向かう手助けをしてもらう」などさまざまです。相談をする方が目的を明確にしてカウンセリングを受けるこ、、、
5)「話せない」から「放したい」
「王様の耳はロバの耳」に床屋が我慢しきれず思わず口にした相手の葦とは、いわばカウンセラーのような存在。傾聴する者であると捉えてみるとどうでしょう。一見弱々しいようでありながら柔軟性が、、、
6)塗り絵を用いたカウンセリング
”絵”や”色彩”でその「モヤっと感」を表すことでスッキリできますが、なかでも注目されているのが“塗り絵”を用いたカウンセリングです。フランスではコロリアージュと呼ばれて特に働く女性に人気が、、、
6)カウンセリングに行くか?精神科に行くか?
昔と比べて心の不調が原因で体調を崩してしまう人が増えています。そのような時、カウンセリングに行くか、精神科に行くか迷われる方もいらっしゃるのでは無いでしょうか? ここでは、その違いに、、、
7)カウンセリングはなぜ高いの?
映画館に行けば1,800円くらいで2時間の非日常を味わうことができます。10,000円あれば日帰り旅行に行ったり、超豪華なディナーを楽しむことができます。それではカウンセリングの価値、、、
8)実は効果があるメールカウンセリング
対面では緊張してしまう方にはメールカウンセリングがオススメです。家から出られない人もメールカウンセリングが家の外との唯一の繋がりになっていることもあります。メールカウンセリングは辛く、、、
9.ニュースと傾聴
傾聴の観点から世間を賑わせたニュースや芸能人の言動などを記事にしています。傾聴講座では扱いきれないさまざまな観点からの傾聴を理解するために役立ててください。
1)日大アメフト部の事件で思うこと
アメリカンフットボールの日大と関学大との定期戦で、日大の選手が悪質な反則タックルで関学大の選手にケガを負わせた問題が話題となっています。「監督、コーチからの指示があったか」が争点となり、、
2)箱根駅伝でも使われているペップトーク
箱根駅伝の主役といえば、当然、選手たちだと思います。選手は日々の厳しい練習をし、他の大会等で勝った嬉しさ、上手くいかなかった悔しさ等の気持ち、その選手を支えている家族、監督、ライバル、、、