言葉の言い換え

傾聴での言葉の言い換え

「大変だったんですよ!」「そうなんですね!苦労されたんですね!」と言葉を言い換えてしまうことがあります。なぜ、傾聴では言葉を言い換えてはいけないとしているのか?逆に裏技的に言葉を言い換えるとどうなるのかをご紹介します。

1.言い換え禁止

傾聴において、話し手が使った言葉を言い換えることは禁止です。なぜなら「よっしゃー」というセリフで、うまくいった気持ちを表現している人に「わーい」というセリフでそれを味わってください。と言ったら違和感を感じるからです。

1)言い換えると心に響かない

傾聴で伝え返しをする時に選ぶセリフの多くは話し手の感情が乗っている言葉です。感情が噴き出してきてそれが「よっしゃー」という言葉になったとしたら「やったー」「わーい」「ナイス!」と違う言葉では響きません。本人にとってしっくりくるのは「よっしゃー」なのです。逆に「よっしゃー」に対して「よっしゃー」で返すとその伝え返しを聞いた話し手は聴き手の言葉で自分の心を揺さぶられ、「ああ、本当に理解して同じ気持ちになってくれたんだ」と感じることができます。

2)言い換えないだけでは足りない

文字で表現できる「よっしゃー」というセリフが一致していても不一致感を感じられてしまうこともあります。下を向いて暗い感じで「よっしゃー」というのと顔を上げて空を見上げるように「よっしゃー」というのではニュアンスが違います。話し手が表現した「よっしゃー」はどんなニュアンスなのか?それに合わせないと伝え返しの効果は半減してしまいます。

3)言い換えてしまう心理

傾聴をする時に気をつけないといけないのは聴き手は自分の世界観で話を聞いてはいけないということです。話し手の世界観に没入して、完全に同化する必要があるので聴き手の世界観で聴いていると話や感覚がずれてしまいます。言い換えが起きるということは話し手の世界観に入り込めていないことを指します。アメリカに行って、アメリカ人が「Oh!My!God」というのを聴いて、日本語で「まじで!」とは言いません。せめて「Oh!」と言わなければアメリカに同調しているとは言えませんね。相手の国の言葉を片言でも良いから話して、相手の世界観に入り込むのが傾聴だとしたら、言葉の言い換えをすることはその国に入りきれていないことを意味しています。

 


2.言い換えを使った傾聴技

傾聴に十分に慣れてきたら、意図して「言い換え」をすることが効果的なこともあります。

1)エスカレーターランゲージ

登りのエスカレータに乗っているように「よっしゃー」と言われたら「よっしゃあああ!」と返すと感情が増幅されることがあります。同じように返すのが基本だとしたら、1.2倍の出力で返すと感情が刺激され傾聴の流れを加速することができます。これは同調度合いが多少ずれていても気にならない人には有効です。逆に「よっしゃあ」と「よっしゃー」が違う!というような細部にこだわる人には使わないほうが良い方法です。

2)ラポールの確認

ラポール(信頼関係)が出来てくると身体的同調に続いて、言語的同調が起きます。あえて言い換えをして伝え返しをすると話し手が聴き手の伝え替えした単語を引用してくれる時があります。「よっしゃー」といわれ「ナイス!」と返したら話し手が「本当、ナイスですよね!」と引用してくれれば、聴き手の言葉を話し手が真似たことになります。言語的同調が話し手・聴き手関係なくループし始めていることを確認することができます。

 

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