12)パターン崩し

12)パターン崩し

話し手に合わせるだけでは実はラポール(信頼関係)は深まっていきません。人の脳は電気信号でできていますから、ONにしているだけでは刺激にならないからです。話し手のパターンに合わせ、崩し、合わせ、崩すことでラポールを深めていくことができます。そのON/OFFの効果とコツについてご紹介します。

 


1.パターン崩しのメリット

傾聴をスムーズに進めている時に敢えてリズムを崩す意味はなんでしょうか?それは緊張と弛緩を繰り返した方がただ弛緩させようとするよりも効果的に弛緩させることができる仕組みを利用することでもあります。

1)ゲームバランスとパターン崩し

勇者はお城を出た瞬間に魔王に出会い倒されました。とか、魔王の城までスライムが100,000ヒキ順番に並んでいます。そんなゲームは面白くありません。簡単すぎるのも難しすぎるのも良くないのです。傾聴もそれに似ています。共感的理解をしようとしすぎるあまり、「何を言っても受け止めますよ!」つまり、「何を言っても反応は同じですよ」となってしまいがちです。それでは手応えがありません。傾聴をする人は型にはまった良い人を演じてしまう傾向にありますが、一瞬のいたずらや悪意が傾聴の効果を高めてくれます。それはゲームをやや難しくして、プレイヤーを適度に困らせることに似ています。


2.パターン崩しのやり方

話し手がある意味でリズムを崩すような対応の仕方をパターン崩しと言います。適度に会話を揺らがせることで本音や感情的な部分を聴き出すことができます。

1)否定的な雰囲気を一瞬出す

「そうですね」「そうですね」とただ聞いているとリズムが単調になってしまって、傾聴の効果が薄れてくることがあります。そんな受け答えの中で「えっ?どういうことですか?」と唐突に少し声色も違う話し方で質問をすると話し手は一瞬びっくりします。(あれ、言ってはいけないことを言ったかな?)といつものパターンが崩れます。その後、会話を少し進めてから「ああ、そういうことですね!」と笑顔に戻ると話し手はほっとします。この一瞬の緊張感が傾聴の質を高めてくれます。

2)会話を止めて押し黙る

傾聴の最中に聴き手が話し手から意識をそらせることはありません。それでは傾聴にならないからです。そのルールをあえて一瞬破ることでパターン崩しをします。話し手が重要なポイントについて話をしたり、感情的になった瞬間に驚いたような表情をしてから下を向いて固まります。今は話しかけないでくださいという空気を出して、30秒ほど待ちます。そして、「それは◯◯と言うことですよね!」と話し手が伝えたかった感情を伝えて話を継続します。話し手は「なんだ、真剣に考えてくれていたのか!」とほっとします。


▼「パターン崩し」まとめ▲

ここでは「パターン崩し」についてご紹介しました。

  • パターン崩しのメリット
  • ゲームバランスとパターン崩し
  • 否定的な雰囲気を一瞬出す
  • 会話を止めて押し黙る

傾聴とは「話し手の主観的な世界観と気持ちを理解しチカラに変える事」です。

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11件のコメント

  1. たんぽぽ ちえさんは、パターン崩しは、「はずす」と似ているかぁと思ってるんですね。
    そうか、そうか、その程度に考えるとパターン崩しもやりやすいというか、日常的にすでにやってるわとなる。
    私の日常のコミュニケーションは、自然に「はずす」ことが多い気がする。わざとじゃない、意図的にじゃないんだけれど、空気が変わるのがわかる。
    これとは、別に考えていたけれど、相手が力入れて感情的になってる、こちらは力緩め受け答える、またはその逆でコミュニケーションすると面白いことが起こることがあるって。笑っちゃうくらい、目がまんまるになるくらいというのがあって、視点が大きく変わって面白すぎと思って。深刻に考えてたことが、どうでもいいことになったりするから。
    これも、パターン崩しの一つか。。。いいね。いいね。
    この考え方いいねー、覚えておきたい(o^―^o)ニコ

    1. なぁーなさんへ
      そうそう、「空気がかわる」😃
      魔法みたい🧙‍♀️
      日常を振り返ってみると、既にいろんなこと起こってるんだなぁと発見✨

  2. 緊張と弛緩で信頼関係が深まるというのは、日常考えないし、臆病だし、テクニックぽいの嫌いだからやろうと思ったことないな。
    パターン崩しを抜き出してみた。
    話し手が重要なポイント、感情的になった瞬間に驚いたような表情をし、下を向いて固まり30秒。「それは◯◯と言うことですよね!」と伝えたかった感情を伝えて話を継続。話し手は「なんだ、真剣に考えてくれていたのか!」とほっとする。
    確かに、否定された、受け入れてもらえてない??と緊張が走った直後、そんなことないんだ、わかってくれているとなると、信頼関係深まるという想像ができる。このやり方ではないけれど、緊張と弛緩で信頼関係が深めるコミュニケーションをお客さんとしょっちゅうとる同僚がいたな。近くで見てて、私もヒヤリとして、一気にいい感じになり、信頼関係強く持ててるから、不思議と思って覚えている。弛緩だけのコミュニケーションより、話し手から見える聞き手の在り方が高くなる感じに見えた。
    これ、私できるかなー??
    せっかく細かくやり方教えてくれたから、やってみようかな。。。

  3. パターン崩し 私は、あまり否定的な崩し方はしないけど、私が思う「はずす」というのと似てるかなぁ
    お話をちゃんと受け止めて、理解して、正攻法で進めていって そんな流れの中で、ちょっと勘違い風な、天然風な反応をしてみると、あれっ? とか、クスッとかなって、それが、ちょっと流れを変えていく

    人と人が手を引っ張り合うと、お互い力が入ってその場で固定してしまうけど、どちらかがちょっと力を緩めたり、引っ張る方向をずらすと、バランスが崩れて動きが出てくる そんな感じと似ているかな🌼

  4. 確かに延々と同じ反応ではオウム返しをセットしてある機械と話しているような気にもなり単調になったり味気なくなりますね。
    機械に聞いて貰うのでは心も通じませんし開けませんので、温かみのある血の通った人間と接している気持ちを持って貰うことはとても大事だと思いました。
    しかし話し手にとってはパターンを崩すのは信頼関係が一瞬で崩れそうでためらってしまうかもしれません。
    これは傾聴に関する事を色々読んできた中でもかなり高度なテクニックがいると感じましたがうまくいった時の効果は抜群ですね。

    1. パターン崩しは信頼関係も崩してしまう可能性がありますよね。それだけ高度なテクニックだと思います。
      しかし、カウンセラーとクライアントの信頼関係が強固なものであれば、数回のパターン崩しでは信頼関係はなかなか崩れないのかなとも思いました。
      とても効果的なので、リスクは確かにありますが、使えるようになりたいなと思っています。
      一緒に、パターン崩しの極意を探求できたらいいですね。

  5. パターン崩しは大切ですね。テクニックという面も確かにありますが、相手の話をきちんと聞いていれば、ある程度は自然にパターンは崩れるものではないかとも思います。自分が話す側だったら、こちらが何を言っても、「そうですね」「なるほど」の繰り返しばかりの人が、真面目に自分の話を聞いているとは思わないですし…。意識的にやるのはなかなか難しいかもしれません。

    1. パターン崩しは大切ですよね!
      おそらく、人に愛されている人は、無意識的にパターン崩しをしているかもしれませんね。
      相手の話をきちんと聞いていれば、ある程度は自然にパターンが崩れる
      そういう人になれるように頑張ります!

  6. 上級テクニックですね。
    確かに、「うん、うん」「そうだね〜」ばかりだと、話がだれてきますね。
    下を向いて黙るテクニックは、いざやってみようと思うと難しく感じますが、会話に深みが出る気がします。
    一瞬否定的な雰囲気を出すことなら自分でもやれそうなので、試してみたいと思います!

    1. おおー!
      上級テクニックに挑戦されるんですね。そのお心意気、尊敬いたします。
      否定的な雰囲気、やってみたらその感想を教えていただけると嬉しいです。

  7. パターン崩し、使うのは中々勇気がいりますね。
    ある程度、ラポールが築けていて、もっとラポールを深めようというときに有効なものなのでしょうか?

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