7)うなずき


7)うなずき

傾聴の基本的なスキルの中に「うなずき」があります。うなずきによって話し手が知らない間に心の扉を開いてしまうことがあります。それを理解するためにはうなずきの種類を知っておくのが早道です。


 

1.「うなずき」の影響は?

一般的に「うなずき」は人の話を先に促す効果があります。傾聴をより円滑に進めるには「うなずき」大事な要素です。一方でだからこそ「うなずき」が難しいとも言えます。

 

1)「うなずき」に気づかれていない

うなずきの大きさが小さかったり、非常に自然なうなずきだと話し手はうなずきを意識しません。無意識的に受け取られたうなずきには大きな効果が期待できます。

「わかりますよ!」「うなずいていますよ!」というようなうなずきをするカウンセラーが多いような気がします。皆さんそのように習っているのでしょうか?うなずかれるたびに気が散ってしまうし、テクニックを使って対応しています!という感じが強くて、私はむしろ話しにくいと感じました。(50代男性)
喫茶店などで会話をしている人を観察しているとそれほど大きくうなずいていないことがわかります。正確に言うと話の内容に連動してうなずいているのではなく、ダンスを踊るようにその場の雰囲気に合わせて動いていることがわかります。反応の小さな場では小さくうなずき、反応の大きな場では大きくうなずくなどの工夫ができると違和感の少ないうなずきができます。

話し手が気づかないようにうなずきをするのは非常に難しいものです。なぜなら、聴き手が「気づかれないようにしよう」とするほどわざとらしくなるし、「気づいていないかな」とチェックするときにも変な空気になりやすいからです。それを防止するためにもうなずきの効果を落とさずにうなずきの大きさをどんどん小さくしていく必要があります。ある程度以上小さくなると話し手に意識されずに「聞いていますよ」というメッセージを送ることができます。

 

2)「うなずき」に気づかれている

話し手が気がついているテクニックはあまり効果を発揮しません。話し手が夢中になっていて、うなずきに気づかない場合などは良いですが、話し手が臨床心理士や産業カウンセラー、コーチなどの場合にはうなずきを学習しているため聴き手のうなずきを無意識にチェックしてしまいます。

傾聴をしてもらいましたが、共感的理解はできているものの、うなずきがわざとらしく、伝え返しも不十分でこれでは良い傾聴とは言えません。(40代 産業カウンセラー)

このような評価をされている状態では傾聴ができません。これでは「傾聴の試験」です。話し手が専門家であったり、特殊な技術・観点を持っている場合にはそれに対応する見えにくい「うなずき」を使う必要が出てきます。

 

3)話の流れを変える

どのタイミングでうなずくかで話の流れが変わります。多くの人は無意識に話の流れを変えていますが、自分のうなずきと話の流れが連動していることに気づけるとより効果的にうなずくことができます。(うなずかないこともできます)

なぜ、つらい話をしているのにいつの間にか楽しい話になってしまうのか?がずっと疑問でしたが、傾聴のビデオを見てようやくわかりました。小さいうなずきをする/しないを意識して使い分けていたのですね。これは話し手は気づけませんね。(60代 人事担当者)

人の話は波を打っています。上に上がったときにうなずけば上に上がっていき、下がったときにうなずけば下がっていきます。これだけで話の流れを変えるには相応の観察力が求められます。

 

4)リズムを作る

話し手の話に対して、どのタイミングでうなずくか?その零コンマ何秒の違いで話を盛り上げたり、話の腰を折ったりすることができます。会話には音楽のようにリズムがあります。音楽を聴いていて、零コンマ何秒のズレがあったら気になるようにうなずきのタイミングでリズムができます。ほんの少しあおってみる。ほんの少し送らせてみるだけで話のリズムが変化することに気づいてください。

 


2.傾聴におけるうなずきの種類

実践的に傾聴でうなずきを生かすには最低でも3種類のうなずきが必要です。

1)小さな小さな「うなずき」

目の大きさが変わる、身体が少し揺れる。そんな小さな小さなうなずきでも話し手には伝わります。うなずきの効果がなくならないギリギリ最小限のラインのうなずきを発見してください。傾聴をするときに最も役に立つのがこの小さな小さなうなずきです。

 

2)中ぐらいの「うなずき」

話し手が気づくぐらいのうなずきです。タイミングがよく、感情的に話をしているときには聴き手の意図に気づかずにうなずきの効果が出ることが多いです。あまりたくさん使いすぎると効果が薄れてしまったり、わざとらしいと感じられてしまうので、重要なポイントでのみ使います。

 

3)大きな「うなずき」

大きなうなずきをするときには感情が大きく動いている必要があります。聴き手の声が変わったり、顔が赤くなったり、目が潤んだりしながらうなずくと「ああ、うけとめてもらえたな」と話し手に感じてもらえます。しかし、これをスキルとしてわざと使うとわざとらしさが出てしまいうまくいきません。この大きなうなずきは自然に出てしまうことを意図してあえてスキルとしては使わないくらいが良いと思います。

 

 


▼「うなずき」まとめ▲

ここでは「うなずき」についてご紹介しました。

  • うなずき
  • 気づかれない
  • 気づかれている
  • 話の流れを変える
  • リズムを作る
  • うなずきの種類

傾聴とは「話し手の主観的な世界観と気持ちを理解しチカラに変える事」です。

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「8)あいづち」も読んでみてください

「うなずき」はマスターできたでしょうか?上手な聴き手は相手の感情が動いたときに「あー」でも「おー」でも良いので口から音を出します。聴き下手な人はあいづちのセリフを工夫してしまうので変なあいづちになってしまっています。あいづちが上手にできると話し手が「ああ、理解されたな」と実感しながら話を進められるようになります。「話して良いのかな?」と感じている人は話が徐々に小さくなってしまいます。もし、皆さんの大事な人が進んで話をしてくれないとしたら、「あいづち」が原因かもしれませんね。次回はそんな「あいづち」を学びます。

21件のコメント

  1. 私は、すっかりうなずきを意図的に使うのを忘れていた。うなづきは、感じるまま任せにしてた。感じるままが、いい感じだと思ったから。
    とはいっても、やっぱり、意識してうなずき効果を試してみようと思った。
    特に、相手の気持ちがマイナスな時は、マイナスにうなずき、同調。そして、プラスにも反応。プラスの時は、プラスにうなずきを意識して、試してみようと思った。
    うなずき大小、ペースそんなことも、意識して、効果を感じてみよう、周りの人を見てみようと思った。

  2. 私が、最近、うなづきについて思っていることです🧐 会話において、うなづきは大切 テンポよくうなづいてくれると、話し手も乗ってきて、会話が弾みます これは、普通の会話
    ある時、私は、聞き手が数分間全く声を出さないで聞いてもらう経験をしました すると、会話は弾むどころか、とてもゆっくりになって、私の話も、うーんとかえーとの連発 でも、悪い感じかというと、そうではなくて、私は私の中の自分と深いところで話せた感覚でした🧚‍♀️
    これって、傾聴の醍醐味❓
    聞き手が声を出さなかったから、居なくていいかというと、そうではなくて、私が私自身と話すのを決して邪魔せず、励ましてくれていた感じに思えました

    傾聴は、聞き手と話しているようだけど、実は、自分と自分の対話なのかも だから、聞き手は、それを邪魔しないようなうなづきがいいのかもしれない

    まだまだ、発展途上の私が思ううなづきです🌼

    どうなのかなー???

    1. たんぽぽ ちえさん、
      すごくいいコメント😊
      実は、私は、自然なうなづきは、意識するとできないから、話を聞いてて、感じるままに反応するものだから、それでいいかと思っていて。。。自然任せにしてたんだ。
      でも、たんぽぽ ちえさんのコメントは、めちゃいいと思う😃💕

      うなづきで、テンポ良くなったり、 まったく声を出さず聴いてもらうと、ゆっくりペースになる。私は私の深い部分と話せた感覚か。。。
      うん、そんな感じするかもと思った。
      試してみよう、意識してみようと思った。
      どうもありがとう❤️
      また、気づきを教えてください🎵

    2. なぁーなさん
      なんかほめてもらい、ありがとうございます😊
      記事読んで、コメント書いて、コメントもらって
      教えてもらうのではなく、学びとる感じ👩‍🎓
      楽しいです🌼

  3. 「うなずき」という動作の中にたくさんの意味が含まれていることが分かりました。小さなうなずき、中くらいのうなずき、大きなうなずきがあり、これらを使いこなすことが傾聴には大事なことを学びました。傾聴で話の流れを変えたり、会話のリズムを作り出すためにもうなずきが欠かせないのだと思いました。

    1. うなづきっていくつかの種類があるんですね。
      私もうなづきを活用して会話のリズムを作っていきたいと思いました。

  4. 身近に誰にでも頼りにされている人がいます。
    仕事ができるのはもちろんなのですが、その方と話しているとみんな楽しそうで、自分との違いは何なのだろうと思っていました。
    その方はもしかすると「うなずき」がとてもいいのかもしれません。
    私もその方のようになりたいと思っていたので、今度観察してみようと思いました。

    1. おおー!
      お手本にしたい人がいらっしゃるんですね。
      その日との特徴が観察して分かったら、差し支えない範囲でこちらで共有してもらえると嬉しいです。

  5. 「うなづき」を意識した事はありませんでしたが、とても重要なのですね。相手に気付かれない小さなうなづきにも効果がある事に驚きました。
    これから聞き上手の人のうなづきを気にしてみるのも面白いと思いました。

    1. おおー!
      聞き上手な人のうなづきを気にしてみる、とてもいいアイディアですね!
      私も試してみたーい(*’ω’*)

  6. 話をしていて話が進む人、そうでない人がいます。双方を比べると話しやすい人は、うなづく事が自然で人と話す事が苦手な私でも言葉が出てきます。今回の「うなづき」聞き上手にも話上手にもなれる講座で、とても勉強になりました。

    1. ゆりさん
      「話をしていて話が進む人、そうでない人がいます」
      正にそうですね!
      日常でも、よし、この話を聞いてもらおう!と思って頭に浮かべてるのに、うなずきが嘘くさかったりすると、やっぱり話すのをやめようかなと。。
      一方で、話す元気もなく、頭に何も浮かんでいないのに、その乏しい話と元気をいつの間にか、うなずきだけで、乗せられて、ふと気付いたら、こんなことまで話しちゃった!そうか、そうすればいいのか!気持ちもスッキリした!ってなることがあります。
      うなずきは魔法ですね。
      自分が話し手の話す意欲を掻き立て、気持ちの交流がもっとはかれるよう、自然でそれでも意図のこもったいなずきができるか、学んでいきたいです!^_^

    2. おおー!
      聞き上手にも話上手にもなれる講座はかなりお得ですね。
      私も勉強します!

  7. うなづき一つで、話し手の印象を変えるとは考えていませんでした。
    仕事柄、傾聴することは多くあります。うなづきを意識しながら、傾聴していこうと思います。
    軽い気持ちでサイトを読みましたが、非常に参考になりました。
    ありがとうございました。

    1. お仕事で傾聴されているんですね。
      私もうなづきを意識して仕事をしています。
      是非、やってみた経験を共有してみたいなと思いました!

  8. うなずきがわざとらしいと確かに話を適当にしか聞いていないのかと思ったり、気が散ってしまったり、それ以上話をしても無駄なのかなとマイナスのイメージしか持てなくなりますね。
    例え相手に悪気がなくても聞き手としてはそう感じてしまうものです。
    うなずき方1つとってみても聞き上手な人というのはこちらが心地よく話せるよう本当に細かい配慮ができたり、技術を持ち合わせている人という事なんですね。

    1. Author

      学んで、わざとらしさを身につけてしまう人が多いのが悲しいなと思います。
      努力しているので上達して欲しいですよね!
      コメントありがとうございます。


  9. 「うんうん」だけがうなづきじゃないんですね。
    辛い話の中にも、光があって、それを気付かれないように引き出す。これこそ、奥義ですね。

  10. うなづいていること気づかれないくらい、話し手が話に夢中になれるように促すってことですね!
    うなづくことが目的にならないように気を付けたいです。

    1. Author

      話し手が話に夢中になる。
      傾聴をしていてこんなに嬉しいことはないですね!
      いつもありがとうございます。

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