重要なポイントを要約できるチカラ

「要約」
これは私たちが小学校の頃から学んでいることであるにもかかわらず、意外に難しいものです。その理由は「なぜそこがポイントなのか?」「どうやって要約するのか?」を実は習っていないからです。試行錯誤でやっているので要約するチカラには個人差があります。

重要なポイントを要約できるチカラ

傾聴したことを要約して伝え返す。これは簡単なことではありません。実際に要約をして見る前に注意することがあります。それが「マジカルナンバー 7」です。

1.マジカルナンバー 7(セブン)

私たちの脳が処理できる情報の塊の数は「7」とされています。いわゆる頭の良さやその時のコンディションにもよりますが、5〜9くらいだと考えてください。

そして、話し手の話を要約しようとした時にその「7」が私たち聴き手を制限します。

例を挙げてみます。

「私はペットを飼っています。ロットワイラー(犬)とアーフェンピンシャー(犬)それからターキッシュ・バン(猫)とソマリ(猫)、ホト(うさぎ)とゴールデンハムスター(ハムスター)です。ロットワイラーの名前をベスと言います。アーフェンピンシャーはワトソン、ターキッシュ・バンは花子です。それから、、、、ベスと花子はとても仲良しなんです。この前もベスが・・・」

途中で省略しましたが、これを傾聴していたら頭がパンクします。「ベスがロットワイラーという犬で花子は、、」把握するだけでも「7」を超えてしまいます。

まず、要約するためには情報量を削らなくてはなりません。

聴き手の脳がパンクしてしまうからです。実は傾聴をする時に気をつけないといけないのが聴き手の脳内の容量、パソコンでいうとメモリーの管理です。パソコンを使う時にも動画編集ソフトと画像ソフトを挙げながら、イラスト入りのチラシを作っていたりすると動かなくなってしまいます。メモリーがパンクしてしまうからです。そうならないように使っていないソフトを一旦終了したりして、メモリーをパンクさせないようにします。傾聴の時の自分の脳の管理もこれに似ています。メモリーの容量は「7」ですが、作業用の場所が欲しいので現実的なのは3〜5ではないかと思います。

この脳内の容量の問題を把握した上で要約するための作業に入ります。

 

2.要約するテーマを発見する

  • ロットワイラー(犬)
  • アーフェンピンシャー(犬)
  • ターキッシュ・バン(猫)
  • ソマリ(猫)
  • ホト(うさぎ)
  • ゴールデンハムスター(ハムスター)

1)要約するテーマが論理的な場合

「犬2匹と猫2匹、うさぎとハムスターを飼っているんですね」

「ペットをそんなに!6匹も飼ってらっしゃるんですね」

と束ねていくと理解しやすくなります。マジカルナンバー「7」が節約された感覚が実際にあると思います。

2)要約するテーマが気持ちの場合

傾聴をする時に重要なのは論理的整合性よりも気持ちであることが多いです。

「動物お好きなんですね〜」

「かわいがってらっしゃるんですね〜」

話し手はたくさんの話の背後に伝えたい気持ちを持っています。言葉一つ一つを受け止めながら、その背後にある気持ちを探ります。難しい犬や猫の種類をまくし立てるのはどんな気持ちからでしょうか?「珍しい種類をたくさん飼っている」と言いたい。「動物に詳しい」と言いたい。「家族のようだ」と言いたい。どれだろうと気持ちを探ると要約ポイントが見えてきます。

「名前のつけ方にセンスがありますね〜、特に花子!、、えっと、うさぎ、、じゃなくて、、、猫でしたっけ??」

仮にこのように反応をしても「センスがある」と思って欲しいという気持ちであることが間違っていなければ大きな問題になりません。「『センスがあるな〜』という重要なポイントは押さえられたけれど細かいところはわからなくなってしまいました」でもよいのです。

 

3.メモを活用する

  • ロットワイラー(犬)ベス
  • アーフェンピンシャー(犬)ワトソン
  • ターキッシュ・バン(猫)花子
  • ソマリ(猫)
  • ホト(うさぎ)
  • ゴールデンハムスター(ハムスター)

メモをしていけば「7」を消費しないですみます。固有名詞や難しい名前が出てきたり、数字や日付が出てきたらメモを使うようにすると良いと思います。そして、指差しながら会話を進めていきます。聴き手がメモを指差せば、話し手もメモを意識してくれます。ベスと花子の間に線を引いて、(仲良し)とメモをしていけば混乱することはありません。

 

4.要約する最大のポイント

要約するのが苦手な人に共通する傾向は話し手にバーッと走られてしまって追いつかなくなることです。今回のロットワイラー(犬)、、、のような話を一気に話されたらそれはわからなくなります。今回は動物の名前でしたが、個人的な知り合いの名前や出来事をバーッと話されたら要約するのが大変です。

1)「わからない」と言って良い

誠実に理解しようとしている姿勢が伝わっている状態であれば「ん?わからなくなった」と言ってもよいのです。傾聴をしながら「難解なものを理解しようとしている」という表情をすることはとても大事です。形式的に受容と共感を習っている人は共感を示すことに一生懸命になるあまり、理解できていないのにわかったような顔をします。話し手はそれを見て勘違いしてアクセルを踏んでしまうのです。

2)要約するのは話し手

「なるほど、、、それはつまりどういうことなんでしょうね〜」とつぶやいて(小声が良い)考えているようなそぶりをするだけで話し手は要約してくれます。「あ、つまり、動物に囲まれて幸せということですよ!」と言ってもらえれば「なるほど、一番幸せを感じるのは??」と話を進めていけます。聴き手は何もしないのが重要ですから、要約をしない選択肢が最善と言えます。

3)タイムラグ

2)で要約ポイントを教えてもらいました。そして、また話が先に進みます。違うテーマでも同じように2)のやり取りになり、要約ポイントを聴きます。傾聴の時間が30分なら前半の20分ちょっとはそれを繰り返します。

そして、終盤の20分を超えたあたりで、「わからない」という顔をやめ

「だんだんわかってきましたよ!つまり、(開始5分くらいで教えてくれた要約ポイント)だったり、(開始10分くらいで教えてくれた要約ポイント)だったりするので(開始20分くらいで教えてくれた要約ポイント)ということなんですね〜」

とまとめると「なんでそんなによく理解できるんですか!」となります。種明かしをすると話し手にも「7」が存在します。10分の頃に夢中になって話している話し手は開始5分の頃話していた内容を忘れ始めます。つまり、20分過ぎに要約して伝え返す頃には自分が要約ポイントを伝えたことを忘れているのです。そうなると

「だんだんわかってきましたよ!つまり、(開始5分くらいで教えてくれた要約ポイント)だったり、(開始10分くらいで教えてくれた要約ポイント)だったりするので(開始20分くらいで教えてくれた要約ポイント)ということなんですね〜」

というセリフは聴き手が読み取ってまとめてくれたように聞こえます。「こんなに精度よく、ぴったり、要約してくれるなんて、、、」と話し手は感じるはずです。なぜなら、自分で作ったまとめなのですから。

 

5.論理的な処理の練習

要約するコツについてお伝えしましたが「要約するスキル」があると良いのは事実です。これは論理的思考の練習をしていないと簡単にはできません。オンライン傾聴講座では傾聴ができるようにならない人の傾向を研究し、5つのタイプに分類しています。そのうちの一つが「論理的構成力」です。

論理的に話を聞くことはトレーニングでできるようになります。これは知識ではないので練習が必要ですが、興味がある方は「傾聴講座」や「練習会」を活用してください。

 

6件のコメント

  1. なるほど、としか言いようのない説明でした。前半でマジカルナンバー7を挙げて、脳には限界があるんだから、パソコンのビジー状態を回避するように、不要に開いてるウィンドウを閉じたり、スペック不足なら外付けハードにでも(メモ)なんてところでも十分頷けて、割と自分は論理的思考性は高いかな!なんて思っていたら。。
    後半の「要約するのは話し手」に至り手品を見てるように。。つい常識的思考でばかり生きてきた自分には、そんなのズルじゃん!と思ってしまうのですが、世の中で行われてるコミュニケーション、交渉術って最後は皆、ここなにかもと!
    こういったコロンブスの卵的発想も理解した上で、相手の話を傾聴するのであれば、より余裕もでき、その分、気持ちの理解・共感に意識がいくのでしょうね!^_^

  2. 傾聴寅さん、返信ありがとうございます。

    うん(゚∀゚)!
    例え、うまいですね〜
    なるほどです。ありがとうございます。

    何だろう…色んなモノが価値を変えていくのって
    少し寂しく感じます。形のないものならなおさら。

    きっと傾聴寅さんの中には、たくさんの知識やテクニックが隠されているんだろうな〜と感じました。
    またお話聴かせて下さい(^o^)

  3. Author

    みんなで知恵を集めて良い場にして行きましょう!

  4. Author

    平賀さん
    コメントありがとうございます。長年カウンセリングをしていると嫉妬とは自分に対する感情のように感じます。特に苦労してきた人、頑張ってきた自負がある人が目指しているものを手に入れている人を見ると嫉妬を感じます。それは自分の中にある「自分はこんなに頑張ってきたのに」という思いが嫉妬相手に投影されたもののようでもありますね。
    嫉妬をする人は対象が1名ではないことが多く、都度、誰かに嫉妬したり、嫉妬する対象が大勢いることもあります。そうだとすると嫉妬される人の問題ではなく、嫉妬する人の中にある何かが発火していると解釈できることが多いですね。

    傾聴寅さんの嫉妬はどうでしょうね^^

  5. カウンセラーの学校で習ってきた「要約」とは違いながら、「なるほど!そうか!」という納得感があります。
    ただ単にまとめるだけが要約ではないですね。

    大枚はたいてスクールに通ってしっくりこなかったことが、ここのオンライン講座でそれ以上のことをここまで公開していることに、驚きと感動とともに、無料で見れてしまうことに嫉妬すら感じます‥。

    1. 傾聴寅さん、初めまして。
      本当に…無料でここまで、、、と驚きますよね。
      少し気になったのですが、嫉妬とは誰に対しての感情でしょうか?差し支えなければ、とんちんかんな私に教えて下さると嬉しいです(*´-`)
      失礼でしたらすみません…。

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