理論を理解するほど傾聴がギクシャクするわけ

理論を理解するほど
傾聴がギクシャクするわけ

傾聴を学んでいる人特有のギクシャクした雰囲気の理由の一つに「理論」があります。

「水泳」「スキー」「自転車」などほとんどの身体を使うスポーツは実際にやってみるところから始めます。理論を知らなくても一流の選手を見る機会があれば、さらに上達します。そして、上手なスポーツトレーナーは「ギュッ」「ふわっ」「カラカラカラ」と上手にオノマトペ(擬態語、擬声語)を使いながらニュアンスを伝えていきます。傾聴を実践的に学ぼうと考えたら、数学を学ぶ方式ではなく、スポーツを身につける方式でマスターする方が近道です。

 

1.理論から水泳を学ぶ

試しに水泳の理論をひとつご紹介します。全く泳げない人がこれを理解してどれくらい泳げるようになるか想像してください。

1)重心移動ベクトル化運動理論

水泳にかかわらず、マラソンや野球の投球、バットのスイングも原理だけをとりだすと重心移動ベクトル化運動理論にまとめられます。重心移動ベクトル化運動理論とは泳いでいる人の身体やランナー、バットなどの重心が移動していくその効率をベクトルで考える考え方です。

マラソンのスタートの時に腰の位置(重心)が上下に揺れてしまったら、エネルギーを無駄にしてしまいます。0度の角度で移動する場面で45度の角度をつけてしまったらそれだけでエネルギーを30%も無駄にしてしまいます。

水泳においても重心(丹田)をいかに効率よく移動するかがポイントになります。

その観点から見ると手足の動きはおまけ。クロールも背泳ぎも丹田を移動させる競技という意味では違いがないことになります。そう考えると飛び込んだり、深さを変える際にも身体の角度を変えるのではなく、丹田を浮かせたり、沈ませたりすれば良いことがわかります。

水泳のやり方はどんどん変化しているけれど、重心の移動という意味ではいかに重心(丹田)を上下動作せずに移動させるかが鍵になります。

そうなると上半身は重心(丹田)を引っ張る役割ということになり、下半身は重心を押す役割になります。その意味で重心移動が最も効率的なのがクロール、次いでバタフライ、、非効率なのが平泳ぎということになります。

そしてそれを実現する浮き方が「伏し浮き」と呼ばれる浮き方です。身体をまっすぐにして、反動を使わずに浮く。これが最も効率の良い浮き方になります。そうすると手足の動きは全て推進力に変えることができます。

(略)

こんなことを延々と頭に入れたところで泳げるようにはなりません。
まず水に入ることが大事なのは「水泳」がテーマなら想像するのは難しいことではないでしょう。

傾聴においてもそれは同じことです。傾聴の理論で頭がいっぱいになっていても実際に話を聞き始めたら脳はそれほど余裕を持って動けません。結局理論は使えずじまいになります。

2)理論よりも大事なこと

なぜかうまくいってしまうやり方と理論的なアプローチが近いところにあるとそれを活用しやすくなります。2018年に開催された冬季オリンピックで日本が金メダルを獲得したパシュートという競技は徹底的に科学的な分析をした成果で金メダルが取れたと言われています。コース取りや3人の距離、フォーム、先頭交代の方法などを理論通りにやって、結果に結びつけました。ところがこれを初心者に教えると実行できないだけでなく、混乱させてしまうのです。

パシュートの選手が何から練習したか?それはスケートを滑ることです。机上でコース取りの話をしても氷の上で立てないなら意味はありません。まず、理論よりも身体で実体験をしてみることが大事なのです。

3)良い体験を

ここで重要なのが悪い癖をつけるような体験を積み重ねないことです。一流の選手の動きを真似しながらより正しいフォームを感覚的に身につけていきます。オンライン傾聴講座では集団催眠を使って、擬似的に上手な傾聴の状態を作り出して、理論より先に「ああ、傾聴ってこんな感じか」という体験をしてもらいます。だから、誰でも傾聴がスムーズにできるようになるのです。そのために良い体験をすることが欠かせません。

 

2.理論によって思考が回る

人は理論を考えている瞬間、表情が硬くなり、呼吸が浅くなり、抑揚がなくなります。相手は無意識的にそれを察知するのでギクシャクした感じになってしまいます。頭で考えて実行するのではなく、身体で覚えて実行するからこそギクシャクしない傾聴をすることができるようになります。

そのためには最低限のルールを覚えたら、傾聴の練習を何度もしてください。大事なのは理論ではなく、上手な人が傾聴している時の雰囲気を覚えておいてそれを再現することです。美味しい料理をお店で食べてその味を思い出しながら自宅で再現することに似ています。美味しいお店で塩コショウなどの分量を聞いてくるわけではないのです。

 

1件のコメント

  1. そんな感じが、いい感じなんですね。
    最低限のルールと上手な人の聴く、傾聴の雰囲気。
    雰囲気、オノマトペ、ニュアンスねー😊😊😊

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