マニュアル人間と呼ばれる人

マニュアルを守ることは大切です。その通りにすれば「仕事が上手くいく」「お客様に喜んでもらえる」と企業がお墨付きしたものですから、それを守っていれば本来従業員同士の連携も上手くいくはずですし、顧客満足度はUPするはずです。

マニュアル人間と呼ばれる人

しかし、そのマニュアルを守り通そうとすると「機械のようだ」「マニュアル人間だ」などと言われてしまいます。なぜなら、マニュアルは守るものではなく、使うものだからです。マニュアルを見て人を見ずの状態では、人は自分のことをないがしろにされたと感じてしまいます。
つまり「マニュアル人間」と呼ばれてしまうのは、マニュアルを守ることへの意識が強いあまり、相手の気持ちを感じる余裕がないことが要因なのです。
そして傾聴を学ぶことは、相手の気持ちを察知し、理解することに繋がります。傾聴は、マニュアルで網羅できない心の隙間を埋めるのにぴったりのツールともいえます。

不満の裏に淋しさ

不満の裏には「もっと私を人として大切に扱ってほしい」という淋しさが隠されています。マニュアル通りに遂行することに気を取られ、目の前の人がどんな気持ちでいるか、どんなことを望んでいるかという機微を察知できなかった場合、相手は「なんで分かってくれないんだ」という怒りを覚えてしまいます。
ですが、互いに出来ることと出来ないこと、いま何を感じているか等が了解し合えていれば、必要以上の期待・要求はされにくいです。「ちゃんとあなたのことを大切に思っていますよ」ということが伝わっていれば、マニュアル通りにしていても関係性が壊れることは少ないです。
つまり大事なことは、「私はあなたの気持ちが分かります。」「私はあなたにこれだけのことができます。」と通じ合える関係性を築けるかどうかなのです。

失敗しないだろうかという不安や心配

また、「マニュアルではないことをして大丈夫か」「失敗しないだろうか」という不安から、相手のことが見えなくなってしまうことがあります。完璧主義な人に多い傾向ですが、ミスをしないことに重きを置いた仕事の仕方をしていると「あれは大丈夫だろうか」「これは大丈夫だろうか」と思考が脳内をループ、つまりうち内向きになってしまい、肝心の目の前の人の表情を見る余裕がなくなってしまいます。
目の前の人は「もっと私のことを見てほしい」「もっと大切にしてほしい」と思っています。マニュアルを遂行すること以上に大切なのはその想いに応えることができるかどうか、それが今、求められています。

その場で人が求めている行動をすることへの恐怖

ただ、とっさにマニュアルに『逃げる』行動をとってしまいませんか。マニュアル通りにしていれば最低限ミスすることはないし、仕事はそれなりにこなすことができます。感情が大きく揺れることはありませんし、傷つくことも少ないです。
これは、相手と関係性を築くことへの恐怖心を持ち合わせていると起こり得ます。たしかに、見ず知らずの人、お客様に0.何秒かで心を開くというのは難度の高いことかもしれませんし、相当気持ちの準備がいる場合もあります。
また、意識していても無意識でも、同僚と親しくなることを避けている場合に、敢えて仕事にのめりこむようにして周囲とコミュニケーションを少なくし、その結果として連携が上手くならない場合があります。
それでも、本当はもっと違う、心の通った温かいコミュニケーションを望んでいるとすれば、自分自身の内側にある、この恐怖と向き合う事が求められます。

 

マニュアルを最大限生かすこと、それは「相手と気持ちが通じ合える関係性を築くこと」によって可能です。
そして傾聴は人との気持ちを通じ合わせ、パワーに変えることができます。
傾聴を使うことで、マニュアルの効果を何倍にも高めることが可能なのです。

8件のコメント

  1. マニュアルはたしかに決まった事をそのままするイメージがありますがマニュアルがなければ困ることもあります。
    マニュアルに従いながらもある程度の手心などを加えるのは良いのかもしれませんね。

    1. 手心、大事ですね!
      「自分が大切にされてる」と思ってもらいたいです。

    2. 確かに、マニュアルとある程度の手心を加えるのが良いのかもしれませんね。
      その手心にその人の優しやや個性が出そうですね。

  2. 介護の仕事をしていますが、非常に難しい部分だと思います。特にスケジュールの部分では、時間が押してしまうと全体に悪影響が出ます。その決められたスケジュールの中で、いかにして個別にご利用者の対応をするかで、いつも悩まされています。ゆとりが無いと良い対応も出来ませんし・・・。人の気持ちに寄り添い過ぎてしまう人も介護では多いので、機械的にマニュアル通りに進める人も必要なのかな、とは正直思う所ではあります。

  3. 「マニュアルに沿っていれば誰にも責められない」と言った教員を思い出します。教育こそ、マニュアルや正解が無いと思っていますが、悲しいことに教育でもいじめ対応マニュアルなどマニュアルが付くものがあります。教育の世界でもマニュアルにないことをすると責められる風潮ができています。組織の一員として働くことは、マニュアルや規則に締め付けられるという流れがありまります。しかし、組織やグループで仕事や行動する時も、マニュアルよりもその人一人ひとりの判断を大切にしていく方がみんな活き活きできると思います。もし、誰かが判断ミスをしても組織でフォローをする風潮があれば、辛い思いをする人が減るのかなって思いました。

  4. マニュアルという言葉は、とても冷たく心のない響きに聞こえます。私が子どもの小学校でPTAの会計をしていたとき、マニュアルがないことに驚き、時間をかけてマニュアルを作りました。そのマニュアルは、確かに、後の人が困らないように、という気持ちのこもったものでした。しかし、マニュアルは残せても、そこにある気持ちまでは残すことはできません。少し寂しい気はしますが、マニュアルだけでなく、世の中気づかないところに、いろいろな人の気持ちが入っているのかもしれませんね。そういうことに気づく人が増えれば世の中は優しくなるのかなと思います。

    1. サランさんの「世の中気づかないところに、いろいろな人の気持ちが入っているのかもしれませんね」というコメントに同感です。その考えが好きです。そう考えられる私でいたいです(o^―^o)ニコ

  5. 混乱する人。長時間待ってしまう人。手違いで困った状況になる人などをなくすためにマニュアルができたのだと思います。つまり、マニュアルはある意味で愛情の形だったはずです。最近のコンビニはレジの前に並ぶ順番が書いてあります。割り込まれたり、どうして良いかわからない人などがでないような愛情表現として「並ぶ順番表示」のマニュアルができたのだと思います。でも、慣れてくると床を見て並べない高齢者に「こちらに並んでください!!」と怒鳴る店員が出てきたりします。マニュアルだけを見て、その背後にある愛情が何処かに行ってしまったのですね。そうだとしたら、ルールが少ない方が優しい社会です。マニュアルを増やし、ルールを複雑にして、できないと怒るのでは怒られてばかりです。
    マニュアルを作った人の愛情や優しさを失わないようにしたいです。

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