Amazon.comの設立と傾聴

Amazon.comの設立と傾聴

Amazon.comの創設者であるジェフ・ペゾスがどのようにして世界有数の企業を作るに至ったのか。その秘密は、彼が幼少期に受けたモンテッソーリ教育が大きく影響しています。そして、モンテッソーリ教育の精神やアプローチは傾聴とも重なる部分があります。

1.モンテッソーリ教育とは

モンテッソーリ教育は20世紀の初頭にイタリアの医師であるマリア・モンテッソーリによって考案された教育方です。最近ではプロ棋士の藤井聡太六段の活躍により、脚光を浴びるようになりました。その他にも、Googleの共同創立者セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、Wikipedia創設者ジミー・ウェールズ、前アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ等、数多くの著名人がモンテッソーリ教育を受けています。

マリア・モンテッソーリは、全ての子どもは自己教育力という「自らを伸ばす力」を持っていると考え、大人が子どもに「教える」のでは無く、「サポート役」に徹する事を求めました。モンテッソーリ教育の特徴としては、「自由に個別活動」「子どもの中の自発性を重んじる」「縦割りクラス」3つがあげられ、その教育の目的を「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」としています。

2.ジェフ・ペゾスの母ジャッキーのかかわり

ジャッキーがジェフを産んだのは、ジャッキーがまだ17歳の誕生日を迎えて2週間後の事でした。ジャッキーはジェフと、その後に産まれた長女と次男に夢中になり、「この子たちはどんなふうに成長するのだろう」と思い、どんな事に興味があるのか、よく注意して見ていたそうです。その中で子どもは一人ひとり違う事に気付き、子どもたちが自分の好きな事を思いきりやれるようにしてあげる事が、自分の責任だと思うようになりました。

ある日、ジェフがまだ3歳の時、「大きなベッドで寝たい」と頼んで来た事がありましたが、ジャッキーは「大きくなったらね。でも、まだダメよ」と断りました。すると、ジェフは次の日、ドライバーを持って幼児用のベッドを分解していました。しかし、ジャッキーは怒らずに、それどころか一緒に床に座って手伝いました。その晩、ジェフは念願の大きなベッドで眠る事が出来ました。

その後も奇想天外な装置を次々に発明していきましたが、ジャッキーはおおらかな気持ちでジェフの興味を育み続けました。高校生になると、ジェフは自宅のガレージを研究室にして発明と実験を繰り返し、大学ではコンピュータサイエンスと電気工学を専攻し、卒業後はウォールストリートの金融機関に就職しました。そして数年後、ジェフはインターネット書店「Amazon.com」を設立するにいたったのです。

3.教師の心得12か条と傾聴の精神

モンテッソーリ教育では、子どもと大人のよい関係の指針として、「教師の心得12か条」が示されています。ここでは全ての紹介は控えますが、その中のいくつかは傾聴の精神にも非常に通じるものがあります。

4.探し物をしている子どもや、助けの必要な子どもの努力を見逃さないよう、子どもを観察しなさい。

6.招かれたら、耳を傾け、よく聞いてあげなさい。

12.仕事がすんで、快く力を出しきった子どもを静かに認めながら現れなさい。

これらの心得は傾聴の大切さを語っているようにも感じられます。もともと、障がい児への教育方として考案されたモンテッソーリ教育ですが、一般の子どもへも効果がある事から、今では世界中に広まっています。このモンテッソーリ教育の背景にあるものは、子どもに限らず人間がいかにして成長する事が望ましいのかを示しているようにも思われます。

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