11 言語的同調


11 言語的同調

ラポール(信頼関係)が深まってくると身体的同調に加えて、言語的同調が起きます。つまり、話している言葉が似てくるのです。あるキーワードを同調させることでラポールを一気に深める方法などを学びます。


1.コミュニティ言葉

「専門家コミュニティ」「地域コミュニティ」「子育てコミュニティ」「若者コミュニティ」など人の集まりによって、交わされている言葉が違います。よく若者言葉がニュースになったりしますが、自分たちの中で通用する言葉を持つことで関係性を強めたり、実感することができます。逆にその言語的同調ができない人はうまくコミュニティに入れないこともあります。

 

1)幼稚園の集団に馴染む

言語的同調の試金石として結果がわかりやすいのが幼稚園生の集団に馴染むことです。「わーい」「ぎゃー」と騒いでいる幼稚園生の集団に「こんにちは。はじめまして」と言って入り込んでもなかなか馴染むことはできません。「何これ〜」「わぁぁ〜」と似たような言葉を使い、似たような声色で話すことでなじみやすくなります。

友達に敬語使うやつって、どうしてもグループから外されがちだよな。何で友達で対等なのにタメ口じゃないんだ!って、気持ち悪い。(大学生)

 

2)方言がうつる

夏休みやお正月などに地方出身の人が実家に帰ると方言がうつって、帰省からもどると話し方が少し方言交じりになっていたりします。コミュニティ特有の言葉を私たちは無意識に切り替えているだけでなく、話し相手がどんな言語パターンを使っているかを無意識に察知して、言語的同調をはかっているのです。

上品すぎるほど上品な話し方をする女性がうつ病になってカウンセリングに来ました。しばらく傾聴している中で彼女はある話題で感情的になって、「このやろう!」と口走りました。「このやろう?」この違和感のある言葉の真意を聴いてみると上品な家庭に嫁ぐまでは暴走族などをしていたようで、その時の口癖が出てしまったというのです。不思議なことにこの女性に「このやろう!」とたまに一人でもよいので言うように促しただけでその人のうつ病は改善されました。言葉は非常に奥深い心理的なセットにも連動しているのです。(心理カウンセラー)

 


2.言語的同調のやり方

それではどのように言語的な同調をしていけばよいのでしょうか?

1)オノマトペ

「ズバババッ」「イエーィ」「グリグリ」というようないわゆるオノマトペと呼ばれる言葉には感情がこもりやすい傾向があります。感情がこもったそのような言葉を伝え返していると言語的同調が起きやすくなります。

話し手の話す言葉の中に混ざっているオノマトペを見つけて、発音の仕方や表情、その単語を発しているときの気持ちをできるだけ真似ながら伝え返してみてください。話し手の目が大きくなって、「そう!」という顔になったら成功です。特に話し手が伝えたい気持ちに連動したものはその後の会話でもずっと出てきますので、「例の『ズバババッ』ってやつどうなった?」と聴けば答えてくれるようになります。

2)頻度の高いあいづち

傾聴が進むと話し手がよく使うあいづちがあることがわかります。「ええ」なのか「へぇ〜」なのか人によりますが、さりげなく自分自身もそのあいづちの頻度を上げるようにしていきます。偶然、あいづちが同じグループになったかのように受けるのです。それだけでも言語的同調が起きやすくなります。

3)話し手が聴き手の言葉を引用

言語的同調が完成すると聴き手の言葉を話し手が引用するようになります。言語的同調が起きてきたなと感じたら、あえて違うオノマトペを会話に投入してみてください。

聴き手「でも、そんな風になっているとモヤっとしますよね」
話し手「そうなんです。モヤっとしすぎて、、、」(あっ、引用してくれた!)

と言語的同調が逆方向で発生します。ここまで確認できれば、意識をしないで会話をしていてもお互いに相手の単語を引用して会話をするようになっていきますので、言語的同調に注目するのはやめて、会話の中身や傾聴の方向性などに注目するようにしても大丈夫です。

 


▼「言語的同調」まとめ▲

ここでは「言語的同調」についてご紹介しました。

  • コミュニティ言葉
  • 幼稚園の集団に馴染む
  • 方言がうつる
  • 言語的同調のやり方
  • オノマトペ
  • 頻度の高いあいづち
  • 話し手が聴き手の言葉を引用

傾聴とは「話し手の主観的な世界観と気持ちを理解しチカラに変える事」です。

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次回予告「12.パターン崩し」

次回からいよいよ具体的な傾聴の内容についての話に入ります。傾聴をするのがコンビニの店員さんのような人で「いらっしゃいませ」「そうなんですね」「それは大変でしたね」「わかりますよ」とマニュアルのように繰り返すだけだったらどうでしょうか?どんな態度で傾聴するのかは非常に重要な要素です。正しくセリフを言っていても話し手の気持ちに触れなければ傾聴している意味がありません。日常会話での態度よりもさらに専門的な「傾聴の態度」を次回は学びます。

6件のコメント

  1. 高校生は今ある言葉よりも、「マジ卍」とか「気持ち!」と言ったほうが、気持ちにピッタリはまるからみんな使うんでしょうかね〜。
    大人も実際使ってみたら、ニュアンスとか、それを言ったときのテンションとか、わかるかもしれませんね。そうすると、高校生の世界観が少し見えるかも?

  2. 同調するのが仲間意識の始まりですか。そう言われると、仲間内だと、似たような喋りになります。
    でも大人が子供の喋りに同調するのは、あまりよくありません。
    大人は子供の見本にならないといけないから、子供に習うのはまずいのです。
    たまに、大学の先生で若者言葉になってる人を見ますが、あれはみっともないです。
    同調しても、自分らしさを捨てない方がいいですね。

    1. 確かに、同調しても自分らしさは捨てない方がいいですよね。
      自分らしさの芯を保ちつつ、相手に同調できたらいいですね。その辺り、極められるように頑張ってみようかな。

  3. 以前何かのテレビを見ていた時にオノマトペと呼ばれる言葉を発すると運動神経が上がるという実験をしていました。
    オノマトペには人との会話にも大いに役立っているのだと知り、短い言葉の中にもの凄い力を秘めているのだなと言葉の力を改めて感じました。もう少し日常会話に意識的に使ってみようかなと考えています。
    話し相手が「あ、引用してくれた」と喜ぶ反応を見る事ができればこちらも非常に嬉しくなりますので、
    言葉で笑顔のキャッチボールができますね。

    1. オノマトペで運動神経が上がるんですね!初めて知りました。もしかしたら、オノマトペにはすごい力が備わってるんですね。
      オノマトペが会話で共有されたら嬉しいですね。

  4. 高校生と接していて、
    「マジ卍」と「気持ち!」という単語をよく使っています。
    「気持ち!」に関しては、言葉で使うこともあるし、胸をドンドン叩くジェスチャーのみのこともあります。
    これが高校生コミュニティーの言葉かなと思いました。
    どちらも感情を表す言葉で、言葉なのにかなり感覚的だなと思います。
    高校生の方が感受性が豊かで、心と心で会話をすることが得意な気がしました。

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