カウンセリングの土台となるロジャーズの人間観

カウンセリングの土台となるロジャーズの人間観

 

 

 

 

カウンセリングにおいて、カール・ロジャーズの提唱したクライアント中心療法は欠かす事は出来ません。今では独立した心理療法と言うよりは、全てのカウンセリングの土台として、カール・ロジャーズの人間観は受け継がれています。それでは、カール・ロジャーズはどのように人間を捉えていたのでしょうか?

1.実現傾向

カール・ロジャーズは人間に限らず、全ての生命体には実現傾向というものが備わっていると考えました。実現傾向とは、生命体が自らをより良く実現していこうとする潜在的な力の事です。この考え方は、カウンセラーにとって必要不可欠な人間観のように思います。目の前のクライアントを、援助しなければならない存在と見るのでは無く、無限の可能性に満ちているにも関わらず、環境の影響で自己実現が出来ていないだけ、という捉え方は本当に素晴らしいと思います。カウンセラーが目の前のクライアントをどちらで捉えているのか? 未来のイチローや本田圭佑が目の前にいると思ってカウンセリングを行えば、その結果は必ず変わってくるはずです。

2.必要十分条件

人間には実現傾向が備わっていますが、環境によってそれが阻害されてしまう場合があります。それでは、どのような環境であれば実現傾向は発揮されるのでしょうか? カール・ロジャーズは、その環境をパーソナリティ変化の必要十分条件として説明しています。それが、「無条件の肯定的関心」「共感的理解」「自己一致」です。(カウンセラー側の条件)

カウンセラーが自分と同じ考え方の時は関心を持って聴くけれど、そうでなければ関心を持って聴いてくれない。そのような態度であれば、クライアントはありのままの自分を表現する事は出来ません。ありのままの自分を安全に表現出来るからこそ、感情を言葉にし、言葉にした内容を客観視する事で気づき、そして変化します。

カウンセラーが無条件の肯定的関心を持っていたとしても、それがクライアントに伝わらないと意味はありません。共感的に理解する事で、クライアントはそのメッセージを受け取ります。「このカウンセラーは、私の思いを自分の事のように感じてくれている」と思えるからこそ、クライアントは自分の感情を言葉にしようとします。

カウンセラーが一人の人間にとしてでは無く、カウンセラーという役割として聴いている。言葉では理解したように言っているけれど、本心では違う事を思っている。そのようにクライアントが感じれば、自分の感情をさらけ出そうとは思いにくいでしょう。表面上は取り繕っていても、直感的には言葉と心の不一致にクライアントは気づきます。

以上、カウンセラー側の3つの条件は、0か1では無く、その間のどこかを漂っている状態です。完全に1になるのは難しくとも、1になる事を目指して自分の内面を磨いていく事が、カウンセラーにとって大切な事だと思います。

カウンセラーにとって必要なロジャーズの人間観をお伝えしました。実際は、この文章だけでは伝えきれない、非常に奥深いものだと思っています。カウンセラーがどのように人間を観る事が望ましいのか。ご意見、ご感想などありましたら、ぜひよろしくお願いします。

2件のコメント

  1. ご意見、ご感想ありましたらぜひと書いてあったので、考えました。
    「カウンセラーがどのように人間を見ることが望ましいか」
    →人間は、みんな違う。人間は、いろいろある中で最善の選択をして生きている。生きる力、生き抜く力を持っていること。(ちょっと、浮かんだことを書いてみた。もっと考えるとでるかも)

    ・クライアントのありのままを見て、感じてほしいな。同じ人はいないわけで、同じ人でも、気持ちはコロコロ変わるし、悩みの程度も違うし、解決の仕方も違うから。手抜きで聴いたり、一生懸命に聴く・共感し過ぎると、クライアントの今の気持ちの程度に合ってなくて、問題を大きくしたりする。
    よくみて、感じて、一緒に考えてもらうにはに、カウンセラーは、心や体の状態を整え、落ち着いた環境というのが、大切になると思う。
    まあ、理想的なこと書いたな。。。私。
    バタバタのあわただしい社会、何度か話題になっているカウンセリング料金の問題を考えると、大変なんだろうな。
    できる人は、できるカウンセラー??恵まれたカウンセラー??思いが強いカウンセラー?かな。
    今回、このコメントを書いてみて、カウンセラーじゃなくても、人間の見方は、上に書いたように望ましいように持っていたいと思った。
    考えるキッカケをどうもありがとうございます(o^―^o)ニコ

    1. なぁーなさん、コメントありがとうございます。おっしゃる通り、型に当てはまるのでは無く、一人ひとりの方ときちんと向き合っていきたいですね。

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