4 傾聴の態度

4 傾聴の態度

傾聴をする時の態度は会話の内容よりも重要です。例えば、喫茶店や電車の中で見かける人たちが傾聴をする人だと思って見てみてください。どういう人に傾聴してもらいたいと思うでしょうか?逆にどんな態度の人の傾聴は嫌だなと思いますか?


1.Great Mother

優しいお母さんのような態度で包み込むように傾聴をしてもらえたら話しやすい人がいます。傾聴をして欲しい人の中には拒絶されることや雑に扱われることが怖くなっている人もいます。

「ああ、この人は僕のことを絶対に否定しないな」そう感じる人になら思ったことを話せるんです。(高校2年生)

注意が必要なのはGreat Motherをやろうとしすぎると「よしよし、怖かったでしょう?」のように態度が芝居がかってわざとらしくなります。傾聴における態度とは「あり方」ですから、そういう演技をするのではなく、そういう人になることを心がけてください。

1)決めつけずに待っている態度

子供の話を聞く時には「正しさ」「理屈」よりも「ああ、そういうふうに考えたからそうなったのね!」という子供の中で起きていることに関心を持つことが大事です。結論を急いだり、決めつけたりせずに待っていてくれる態度が話し手を楽にしてくれます。

トットちゃんの中で子供の頃の黒柳徹子さんが学校を退学になり、たどり着いた学校で出会った先生が何時間もトットちゃんがもう話がなくなってしまったと思うまで話を聞いてくれました。傾聴とはそういうものかもしれません。

 

2)絶対的に肯定してくれる態度

愛情深いお母さんは子供がどんなに間違った考え方をしていても子供の側に立って応援してくれます。話す内容や考え方の良し悪しやできる/できないよりも「あなたのことが大事」と思っているからです。そんな態度で接してもらえると安心して話をすることができます。

「叫んではいけない」と言わず「なぜ、叫ばなくてはならない状況なのか?」を聴いて欲しい。「暴れてはいけない」と言わずに「なぜ、暴れてしまうほど苦しいのか?」を聴いて欲しい。誰も好んで問題行動を起こしたいわけではないのです。問題行動の背後にある苦しみを聴くのが傾聴における大事なポイントです。

 

2.大賢者

包容力よりも知識と知恵を持って話を聴いて欲しいこともあります。物語の中で主人公が安らぎではなく、未来を切り開くために大賢者のもとを訪れるように話をする人は道を示して欲しいと願っています。

大賢者からのメッセージは時として意味不明です。「お告げ」のような形ですぐには意味がわからないものもあります。そのメッセージを主人公自身が紐解くことに意味があるからです。それは困った時に聖書の一節を読むと未来への道が見えてくることにも似ています。傾聴をする人は問題を解決する必要はありません。話し手を支え、励まし、承認する態度で接することで話し手自身が答えを見つけ出せるように手伝ってあげれば良いのです。

 


3.聴衆

話し手が舞台でスピーチをする時に大勢の聴衆は舞台の下の席に座っています。話し手の言葉が詰まってもアドバイスすることも質問を促すこともできません。ただ、話し手に力を送るように見つめ、うなづき、話し手が話しやすい場を作るだけです。本編で学びますが、素晴らしい傾聴を分析すると聞き手が話している時間は概ね1割弱です。話し手の構成力を信じ、表現力を信じる態度で言葉を使わずに先へと促すのです。

 


4.態度を学ぶには例えが大事

以前傾聴の勉強をしていたことがありますが、「自己一致」「共感的理解」といった言葉が先行して、実践することができませんでした。「うなずき」や「あいづち」のようなスキルはともかく、態度に関してはお手上げでした。この例えという考え方に出会ってから、「Great Motherのようにすれば良いんだ」「聴衆となってしっかり話を聴こう」と実行しやすくなりました。(50代 主婦)

態度は小手先の仕草やセリフから出てくるものではありません。全体から醸し出されてくる雰囲気のようなものです。それを身につけるには「それになったふりをする」のが一番です。Great Mother、大賢者、聴衆の3つだけでも十分ですが、自分の傾聴のスタイルにあった例え(メタファと呼びます)があると良いですね。

関連記事)傾聴の態度を鍛える演習


▼「傾聴の態度」まとめ▲

ここでは「傾聴の態度」についてご紹介しました。

  • 傾聴の態度
  • Great Mother
  • 大賢者
  • 聴衆

傾聴の態度は「Great Motherや大賢者のフリをすることで養われます」です。

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次回予告「5.共感的理解」

傾聴をしたり、相談に乗ったけれど2回目に繋がらなかったことはありませんか?多くの人は「共感」のところでつまづいています。人は相手がどれくらい深く共感しているのかを推し量ることができます。傾聴をする時に絶対にしてはいけないのが「嘘くさい共感」です。話し手は「共感が浅い」と思った時点で話す気が無くなってしまうからです。これは特に親子間でよく起きます。子供が学校でLINEやスクールカーストなど親が理解できていないしがらみで困っているのに「わかる」と言われても「わからないでしょ?」と思われてしまいます。次回は「本当の意味での共感的理解」について学びます。

13件のコメント

  1. 傾聴の技を身につけるには色々な役を自然にこなせる役者にならなければいけないのだなと感じました。
    その為にも理論を学ぶ事は勿論ですが、大きな事とか些細な事とか関係なく色々な経験が傾聴には役立つのではないかと思いました。
    私は男性ですので見た目をグレートマザーにする事はできませんが、今までして貰ってきた、味わってきた包み込まれるような温かい経験、その時どういう言葉をかけて貰ったりどんな事をして貰ったのかを思い出せばグレートマザーにほんの少しだけでも近付けるのではないかと思いました。

    1. 男性でもグレートマザーになることはできると思います!
      コメントを読んでいて、そのヒントはnatsuさんの中にたーくさんあるのかなとなんとなく思いました。そして、それは、傾聴の時のヒントにもなるのかなと思います。そう考えるとnatsuさんという一人の人はかけがえのない存在だなと思うことができました。

  2. 知り合いにとても仲のいい親子がいます。
    その息子さんは思春期にも反抗期らしいものはなく、非常にのびのびと育って、さわやかな笑顔で人当たりもよく、うらやましい限りです。
    そのお母さんに「どうしたらそんな子供に育つの?」と聞いたら、「特に何もしてないけど、話はよく聞いてあげてる」と言っていました。
    その時にはピンとこなかったのですが、Great Motherの部分を読んでそのお母さんはまさにGreat Motherなんだ、と思いました。
    私にももうすぐ思春期になる息子がいるので、今からでも傾聴の態度を身に着けていきたいと思いました。

    1. Great Motherなお母さんとお知り合いなんですね。
      子どもと接する仕事をしているのですが、子どもは聞いてほしいという思いを強く持っています。
      特にお父さん、お母さんには聞いてほしいという思いが強いと思います。
      ぜひ、思春期になる息子さんにも傾聴の態度を身に着けてみてくださいね。

  3. 結論を急かしてしまって、子供の話しを最後まで聞けてないなと反省させられました。
    良いか悪いかは別として、なぜそうなのかを考えて寛容になりたいと思いました。

    1. どうしても時間がなかったり、子どもに対する思いがあって最後まで聞けないことは、誰しもあると思います。
      寛容になりたいという思いがお子様に届くことをお祈りしています。

  4. 会社の上司が苦手な理由が分かりました。
    話を聞いてくれず結論をすぐに求められ、私の話を聞いてくれなかったという不安感からくる苦手意識だったのかな?
    子育てして思うのですが、小さい頃は子どもが話終わるまで聞いていたのに、子どもが大きくなると話を途中まで聞いて、私の意見を話ています。
    それではダメだと、感じました。

    1. 上司の方は話を聞いてくれなかったんですね。私もそういう上司は少なからず苦手です。
      お子様を育てている保護者の方は、子育て、家事、仕事、、、など色々やることがあるので、じっくりと子どもの話を聞くのはむずかしいですよね。
      それに、子どもが大きくなって、期待している、いい子に育ってほしいという保護者として当然の思いから、保護者の方が子どもに意見をする、
      それは当然なことだと思います。
      せっかくの機会ですので、お子様の話を聞いてみた結果をまた教えてくれたらうれしいです。





  5. 仕事で上手く行かなかった時があります。
    仕事量がとても多く、自分に余裕が無くて、とても事務的でぶっきらぼうだったと思います。
    そんな時「周りは楽しそうに談笑してて、どうして私がこんなに仕事をしないといけないのか、だれも私の大変さを分かってくれない」と思っていました。
    尊敬できる方に相談した時に、「あなたは女神のようにいればよい」と言って頂きました。「女神なんだから、周りの分の仕事をしても、そのままであればよいのよ」という言葉で自分の在り方を見直すきっかけになりました。

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