カウンセリングでは何を話したら?

カウンセリングでは何を話したら?

「カウンセリングでは何を話せば良いのでしょうか?」

そんな質問をよく受けます。正論を言えば「カウンセラーはプロなのですから、そんなことを気にしなくて良いのですよ」ということではあります。もし私がカウンセリングの予約時に「何を話せば」と尋ねられたらそう答えるかもしれません。

「上手に話せる必要はないです。上手に聴くのは僕の仕事ですから、、、まあ、強いて言うなら・・」といって、「カウンセリングで何を話したら良いか?」をアドバイスします。

 

1.感情が強くなる瞬間

心理カウンセラーは話し手の感情が大きく揺れる瞬間を探しています。

よく、手帳に病院に行った日付や診断名、受けた治療、服訳している薬などをこと細かくメモして説明してくれる人がいますが、極端な表現をすると

「4/1 ジェイゾ◯◯◯ ◯mg 不安が改善された気はしない」
「4/2 ジェイゾ◯◯◯ ◯mg 不安が改善された気はしない」
「4/3 ジェイゾ◯◯◯ ◯mg いつもより30分早く目が覚めた」
「4/4 ジェイゾ◯◯◯ ◯mg 今日は夕方まで寝てしまった」

この表現を延々を伝えられてもカウンセリングにはなりません。「不安」と表現されているものが特に強くなる時間帯、何をしていて、どんな風に不安になるのか?身体には異変が現れるのか?その場には誰かがいることが多いのか?その具体的なエピソードを語りながら感情を込めてもらえると傾聴しやすくなります。

「当時を思い出していたら、不安になってきちゃいました」

程度はその場面にもよりますが、不安を今感じていないのに「不安なんです」と言葉を言われても傾聴は前に進みません。できることならば、ある場面を思い出しながら語り、次第に「今も不安になってきました」となってもらったほうがカウンセラーは状況を把握しやすいのです。

アルコール依存症の人が診察室で「今は飲みたいと思わない」という状態で「大丈夫ですか?」と聞かれたら「大丈夫だ!」と答えるのに似ています。この人は診察室では確かに大丈夫でしたが、自宅に帰ったらアルコールが欲しくなるかもしれません。カウンセラーの目の前で問題行動をしそうな衝動、感情がでてきたほうが対処しやすいのです。

 

2.まず話したら良いこと

カウンセラーが上手に誘導するとしても話し手が工夫できることもあります。

「何を話したら良いか?」という問いに一般論で答えると

1)最近の心理的な状況

最近どんな気持ちで生活しているのかは重要です。昔は辛かったということをたくさん語る方がいますが、重要なのは昨日や今日もそんな感情に悩まされているのかどうかということです。自分自身が当事者として、「今が辛い!」「これが辛い」という場面月明確になっていると伝えやすくなります。

2)ここまでの経緯を話す

人は生まれつきうつ病なわけではありません。うつ病じゃない人生もあったかもしれないのにうつ病になってしまったとすれば、どの経験が影響していると自分では思っているのかを探っておいて、伝えることをお勧めします。人は幼少期から同じようなパターンを繰り返しています。すべてのパターンを説明する必要はありませんが、「今私はこんな風に辛い」・・「そしてこれは今始まったことではなく、◯◯のころからその傾向がありました。例えば、、」のように話していただけるとカウンセラーも把握しやすくなります。

3)感情が最も強く動くとき

そして、ここ1ヶ月以内くらいの出来事で感情が最も嫌な方向に動いた場面を詳しく伝えます。感情は人によって解釈も違うので、「憂鬱だったんです」のような言葉だけでは理解してもらえません。たとえ話を使ったり、現場の臨場感を伝えて、カウンセラーに理解してもらってください。

4)できれば未来

悩んでいるときには難しいものですが、できれば問題が解決した後の明るい未来を想像して伝えます。100%確実にそうしたいというものではなくても良いです。その想像の中から問題解決後にはこんな気持ちになりたいということが垣間見られたら、心理カウンセラーは動きやすくなります。

 

3.基本はカウンセラー任せ

何を話したほうが良いかは概要だけ用意しておけば、後はカウンセラーが先を促して聴いてくれます。強いて言うならばカウンセラーの顔を見ながら話をして、カウンセラーの反応がよければその部分は重要かもしれないので多めに話したり、といったようなコミュニケーションは大事です。一番大事なのは自分自身の心がどうなっているのか?どんなメッセージを伝えようとしているのかをブラスことなく持っていることです。「私はこれが伝えたいんだ」ということが明確ならば、詳細がかみ合わないことはそれほど問題ではありません。

私たちが傾聴をするときには上記でいう心理カウンセラーとは我々のことです。

プロとして、安定した誘導ができるようにトレーニングしておきたいものですね!

3件のコメント

  1. 「基本はカウンセラー任せ」のスタンスでカウンセリング受診に臨んだことがあります。過去に仕事で無給での勤務を強制されたことがありそれが今の体調不良の原因だと思っていたのですが、1回伝えたきりでその後3ヵ月間話題にされることはありませんでした。過去に向き合う必要があると思ったのですが…。
    そこでこの記事にある「感情が強くなる瞬間」についての話に興味。今の状況を探るのも大切だったのかと(カウンセラーの姿勢を)一応の理解はできた気分です。

  2. 「人は幼少期から同じようなパターンを繰り返しています」
    通り過ぎてみて、自分の人生を俯瞰して見ると本当にそう思う。
    瞬間瞬間は気持ちに従って自然に判断できた時もあるし、そうでなく気持ちを押し殺して従属的だった時もある。もちろん過去の失敗や嫌な体験を通じて、進化?(退化?)して、より自分らしく振る舞えるようになったことも多いはず。
    それでもそれでも、全体としての傾向として繰り返していることで苦しくなっている側面はある。
    学習して、その傾向を断つべきと考えるか、どうせ俺ってやつはそういうやつなんだから、その苦しさの一方、得られている良い面だけに目を向けて片目を瞑って生きていこうじゃないか!と思えるかどうか。。
    前者の意識も持ちつつ、後者の考え方を引き受ける。そうなのだろう。もうちっと人間を練りたいところです!^_^

  3. このページ気にいた。
    このページをまとめてみた。

    「今が辛い!(昨日・今日の嫌な感情)」「これが辛い(1か月以内の最も嫌な感情になった出来事)」という場面を明確に→問題が解決した後の明るい未来を想像、こんな気持ちになりたいが、次へのkey🔑になる。
    伝えたい・話すことは、概要のみ用意する。あとは、カウンセラーを見てコミュニケーション。

    人って、「今辛い」「これ辛い」が心の相談ポイント。
    頭にこの回路できるように、日々この視点使って、インストールしておかないと(o^―^o)ニコ

    今日もお勉強になりました。どうもありがとうございます。

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